私は親になれない

流産を3回経験し、絶賛『鬱病』闘病中・子なし四十路女の小言。それでも切実に伝えたい事。この日本でも個人での自由な生き方がもっともっと当たり前になりますように.....。

28、逃げられない

二回目、そして三回目の流産後に家にいることも辛く、だからと言って近所にはベビーカーというモンスターが出現することにビクビクしなくてはいけない精神状況の中、私はとにかくどこか遠くへ行きたくて仕方がなかった。

どこでもいい。とにかく遠くへ飛んで行きたかった。

 

しかし、実の所うちの旦那はパニック障害をずっと前から持っている。

基本、自分が運転する車やタクシーくらいしか乗ることが出来なかった。

 

私は元々生まれ育った家が旅行好きだったために子供の頃からいろんな土地へ近隣でも連れて行ってもらっていたので、少なくとも年に一度くらいはどこかへ旅へ行きたい。

私にはそれがどこか当たり前になっていた。

 

旦那は結婚前、いや、出会う前からその状態だったらしいので将来的にどうなるのだろう・・・・と漠然とは考えていたが、まぁなんとか徐々に慣らしていくか、なんなら子供が授かったら子供と行けばいいか、という風にこれに関してもたかをくくっていたのだ。

実はこの点は結婚を決めたと両親に話してからずっと心配されていた事項でもあった。

 

そして、まさかのどん底に結婚2年目から突入しその問題がこんなに早々と立ちはだかるとは想像さえもしていなかった。

どこか遠くへ行きたくても肝心のパートナーである旦那は連れ出してはくれない。

どこかへ行きたいと、自分からお願いすれば車でならどこかへ連れて行ってくれたかもしれない。でもそれが言えなかった。しかもとにかく『遠くへ』行きたかった。

今の現実を吹き飛ばせるくらいの遠くへ。

暗闇くんとべったりくっついていた時は、自分から発信はできず、とにかく誰かにスッと連れ出して欲しくて仕方がなかった。白馬の王子でもお姫様でもおじさんでもおばさんでもおじいさんでもおばあさんでもいい。

とにかく誰かに知らない世界へ連れて行ってもらいたかった。

その時はまだ一人で飛び出る元気はなかった。そして、意味もなく恨んだものである。

そして、どんどん独りで鳥かごにでも入れられた気分に落ちいって行った。悪循環の繰り返し。

今思えば、旦那は何も悪くない。ただこの時は「どうして頑張って克服して引っ張ってくれないのだろう」と言う見方をしてしまった。(まぁ、今も全くこの気持ちがないと言えば嘘になるけど仕方のないことだと受け止めるようにしている)

『孤独』と言う感情は冷静に物事を考える思考をぶっ潰す。

 

当時、たまたま父が体調を崩していた時期でもあって両親とどこかへ、という事も叶わなかった。

 

とにかく現実逃避がしたい!と朝起きた時に思い立って、いきなり一人でディズニーランドへ行くというなかなかな行動をとった事もあった。

ディズニーランドが夢の国と言われる所以はそこで、一番身近な逃避場所だったし見事にその1日は嫌なことを考えずにいれたのだ。

もちろん、この空間を共有できる相手がいないのは寂しいなぁと感じた瞬間もあったが思っていたよりも満喫できたのである。

ミッキー、ミニーたちがそりゃあもう神様に見えて仕方なく、不思議と子供が目に入らなかった。現実離れした空間へ行くことはこんなにも楽なのかと感じた1日だった。(一人ディズニー、結構楽しいです。オススメです。)

 

そんなこんなでどうにかして自分にとっての逃避場所を探す作業をその日から無意識に行うようになった。

ベビーカーや家族連れ、妊婦たちがなるべくいないセーフティーゾーンながら落ち着ける逃避場所・・・・・。

そう。それが物凄い少ない。一番マシだったのが今流行りのコワーキングスペース(笑)。そりゃそうだ。そこには働く人や作業をしている人しかいないのだから。読みたい本とパソコンを持って、しばらく各地のコワーキングスペースを巡る時期があった。そのお陰で得たものも少なからずある。

 

そしてもう一つ、そんな最中に東京ドームにライブへ誘ってもらう機会があり、その圧倒的な空気感と声援とエンターテイメント性に度肝を抜かれて、今では物凄くハマってしまったグループがいる。

同年代の友人に話したら、大抵いや、ほぼほぼ『ええー!?』と言われるのだが大手を振って宣言したい。わかっているが、そして意味もないが宣言したい。

 

四十路前のどん底女は、まんまと『三代目JーSOUL BROTHERS』にハマっております、その時から(笑)

 

もう3年前になるがどこへも行けず暗闇の中を手探りで歩いてる感覚であった私には、先ほどのミッキー・ミニーのようにそのライブでの彼らも物凄く神々しく見えたものだ。

それに周りにいるのはほとんど自分には今一番遠く毒のない若い子達。

黄色い声ってこう言う風に出すんだったなぁ〜と思ったり、とにかくその空間のパワーと、久しぶりに『そこに存在し辛い』という感情が一切沸かなかった。

 

そんな話を叔母に話したら

「いいじゃない!そういう課外活動はすっごく大事!」

と喜んでくれた。

そう、子供に恵まれなかった叔母も前述したように大好きなアーティストのライブへ行くのをいつも楽しみにその『課外活動』を行っているのだ。

何かを楽しみに待つという行為プラス、ライブというのは現実逃避の最高峰と言える。この時の私にはとってもありがたい出逢いだった。周りから何をどう言われようと(笑)。逆にこの物凄いミーハー感が今の自分にはたまらない(笑)。

そもそも人の趣味に優劣なない!何が悪い。と、常日頃何に関しても感じている。

 

とにかく逃げ場所というのはとっても大切だ。

生きていく上でどうしても避けられない事柄は沢山存在するが、一人でビクビクとカゴの中にいては状況は悪化するばかりで体の具合も悪くなる。

調子が良い時は、海外へ行ける人はパァ~っと何も考えず飛んで行ったほうがいいし、漫画が死ぬほど好きなら一日中漫画喫茶にでも籠るのもいいだろう。

テーマパークや映画館、ライブや舞台など、現実から離れた気分になれる自分の中の逃避場所を一つでも持っていれば、回復も色々と早くなっていくと思う。

 

現に私は身近な現実逃避に出会えたことで『小さな生き甲斐』的なものを手にする事ができ、今も彼らの活動を応援するのが密かに、ではなく、物凄く自分の中で大きなものになっている。

 

ありがとう、三代目(笑)。大好きです、岩ちゃん(笑)。朝オーレが流れると、今日も一日頑張ろうって思います(笑)。

沢山救われたし、今も救われてます。これは、本当。

 

大事なことではないかと思う。こういう気持ち。

なんでもいいから。逃避とキラキラする気持ち。

私の友人の中にも酷く塞ぎ込んでる時にももクロに救われたと言う人が二人いる。

そうやって大勢の人を救ってるんだ。エンターテインメントの世界の人はすごいし大変だなぁと思う。